神戸市は人口約150万の大都市であり、異国情緒あふれる国際都市です。ファッションの街としても有名ですが、そのような場所におしゃれなキッチンカーはぴったりですね。
今回は、そのような神戸市でキッチンカーの営業許可を取得するにはどうすればよいのかを解説します。
|神戸市で営業許可
まず、神戸市の保健所は管轄区によって2つの事務所に分かれています。
東灘区、灘区、北区、中央区、北神は東部衛生監視事務所で、兵庫区、長田区、須磨区、垂水区、西区は西部衛生監視事務所が管轄になります。
ご自分が出店したい地域もしくはキッチンカーを保管している場所の管轄の保健所に電話をして下さい。
神戸市でキッチンカーの営業許可を取得するには、他の都道府県と同じように、いきなりキッチンカーを乗り付けて「許可を下さい」というのはお勧めしません。
東部衛生監視事務所に、神戸市の手引きを引用しても良いが問い合わせたところ、引用するのであれば、申請前に必ず事前相談に来るように添え書きをするよう言われました。
引用:神戸市キッチンカー手引き(神戸市役所ホームページ) 2023年12月10日
(この記事はこちらの手引きをもとに、神戸市の監視事務所や兵庫県庁に問い合わせた情報を盛り込んで書いています。他では書いておられない情報も入っていますので、神戸市でキッチンカーの開業を考えておられる方は、是非ご一読下さい。)
東部衛生監視事務所では、事前相談をしないで申請する方が一定数おられるようで、お困りの様子でした。
大阪府の食品の安全推進課でも同様のお話を聞きましたので、皆さん、事前相談には行って下さいね。
|許可取得までの流れ
1.電話する
↓
2.事前相談に行く
↓
3.申請に行く
↓
4.施設調査を受ける
↓
5.許可が下りる
↓
6.許可証を受け取る
順に詳しく解説していきます。
1.電話する
自分が出店したい場所、もしくは神戸市内にキッチンカーの駐車場や店舗をお持ちの方は、その地域を管轄する衛生監視事務所(上に電話番号を載せています)に電話をして下さい。
まずは、電話先の衛生監視事務所が正しい申請先かどうかを確認しましょう。
次に、事前相談の日程を調整します。
日程が決まったら、持参物(事前相談のところで書きます)も確認しておきましょう。
2.事前相談に行く
日程が決まったら、事前相談の前に、品目・調理工程を定めましょう。紙に書き起こしておくと、スムーズに相談ができますので、書類としてお持ちください。
また、キッチンカーの平面図(作業場内の寸法や設備の配置がわかるもの)も持参してください。こちらは手書きでかまいません。
持ち物
- 品目・調理工程を書いた書類
- キッチンカーの平面図
3.申請する
申請は、営業予定日の少なくとも2週間前には行きましょう。
この時に、通常は施設調査も行いますので、これに合格してもすぐに許可証は貰えません。土日祝を挟んだり、申請が混雑している場合もありますので、余裕をみて申請に行って下さい。また、施設調査に不合格で、再調査となった場合も時間がかかります。
事前に相談に行っていれば、めったなことはありませんが、再調査になる可能性も考えておきましょう。
申請時に必要な書類は以下になります。
必須の書類
- 申請用紙
- 施設平面図
- 車検証
- 食品衛生責任者資格証
- 申請手数料16,000円
場合によっては必要な書類
- 登記事項証明書(3カ月以内)ー 法人の場合
- 水質検査成績書の原本と写し ー 水道水以外の水を使用する時
|申請用紙
申請用紙の入手方法には次の2通りがあります。
窓口:申請時に窓口で記入してもOK
神戸市サイト:以下より「営業許可申請書」をダウンロード
神戸市:新たに営業の許可を受けたい (kobe.lg.jp)
引用:神戸市役所ホームページ 2023年12月10日
|施設平面図
キッチンカーのキッチン部分の平面図です。
以下は、神戸市の「キッチンカー等、自動車の飲食店営業許可申請の手引き」にある図面を私がCADで書き直したものです。
神戸市の「キッチンカー等、自動車の飲食店営業許可申請の手引き」にある図面は手書きでした。皆さんももちろん手書きでかまいません。
こちらはあくまで見本ですので、販売メニューに合わせて作成する必要があります。
また、自動車のサイズもこの通りでなくてかまいません。
|車検証
原本と写し(コピー)が必要です。原本は照会後その場で返してもらえます。
|食品衛生責任者資格証
食品衛生責任者とは、食品衛生法に基づいて、全ての飲食店や食品事業者に責任者をおくことを義務付けられており、その責任者となる資格です。
食品衛生責任者は基本的に1店舗に一人必要ですが、経営者でなくてもかまいません。
調理師免許、製菓衛生師免許、栄養士免許などをお持ちの方は、そのまま食品衛生責任者になれますので、調理師免許証、製菓衛生師免許証、栄養士免許証を持って行きます。
上記のような資格をお持ちでない場合は、「食品衛生責任者養成講習会」を受講して下さい。こちらは、保健所ではなく、食品衛生協会が開催しています。
神戸市では、一般社団法人神戸市食品衛生協会が開催していますが、教室受講の場合は、どこの自治体でも受講することができます。
神戸市の受講料は10,000円(税込み)です。
講習会のご案内 | 一般社団法人 神戸市食品衛生協会 (fha-kobe.jp)
引用:神戸市食品衛生協会 2023年12月11日
食品衛生責任者の講習会については、こちらの記事をご覧ください。
(主に大阪の講習会について書いています。)
4.施設調査
いよいよ山場の施設調査です。
3つの注意点があります。
1.申請するキッチンカーに営業中実際に使用する
設備をすべて積んで行きましょう。
2.タンクに水を満たし、
冷蔵・冷凍設備を冷やしておきましょう。
3.事務所の駐車場は高さ制限(2.1m)あり。
近隣の駐車場を調べてから行きましょう。
近隣の駐車場に止めた場合は、施設調査の職員さんが、駐車場まで見に来られます。
施設調査では、食材は必要ありませんが、「あとは食材さえ積めば営業できますというレベルで申請に来てください。」とのことでした。
~よくある不備~
不備があると、再度キッチンカーを持ち込む必要があります。
不備の多い確認事項は以下の通りです。
- 手洗い設備・洗浄設備の水が流れなかった。給水量に見合う排水量のタンクが用意されていなかった。排水タンクに排水が流れるようになっていなかった。
- 冷蔵庫内が10℃以下(食材によっては4℃以下(食材の表示による))、冷凍庫内が-15℃以下に冷えていなかった。
- 夜間に営業する予定があるのに、照明設備が無かった。
- 加熱品目の提供を行う営業があるのに、65℃以上の保温ができる保温設備が搭載されていなかった。
- 給水タンク・排水タンクが複数あるにもかかわらず、給水管、排水管の繋ぎ変えができなかった。
- 準固定施設で申請したが、立って作業できる車高ではなかった。
- 準固定施設で申請で、手洗い設備の蛇口をレバー式にしたが、レバーが短く、肘での操作は不可能だった。
5.許可が下りる
許可通知書(許可が下りたことのお知らせ)と許可済み証が発行されます。基本的に郵送で交付されますが、窓口での交付もできるとのことでした。許可済み証はキッチンカーの見やすいところに掲示します。
|まとめ
神戸市でキッチンカーの営業許可申請をする方法をお伝えしました。
|許可取得までの流れ
1.電話する
↓
2.事前相談に行く
↓
3.申請に行く
↓
4.施設調査を受ける
↓
5.許可が下りる
↓
6.許可証を受け取る
詳しいことは、ご自分のキッチンカーの概略が決まってから、管轄の衛生監視事務所にお尋ねください。または、当事務所にお電話、メールをいただいてもかまいません。
それでは、おしゃれな国際都市、神戸で素敵なキッチンカーライフをお送り下さい!